コスタリカで環境サービスの支払いを推進するフォーラムがキックオフ

2014年4月7日

エマニュエル・ゼメカITTO事務局長がフォーラムを開会しているところ 写真提供:H.O. Ma/ITTO

およそ60カ国から集まった約150人の参加者がコスタリカで今週、環境サービスの支払い(PES) が熱帯林の持続可能な経営にいかに貢献できるかについて話し合っています。この 熱帯林からの環境サービスへの支払いに関する国際フォーラム は参加者がPESのスキームを実施した経験を分かち合い、PESが持続可能な発展に貢献できる可能性を実現するためにその経験を活かせるような提案をする機会を設けています。このフォーラムはITTOがFAOとコスタリカ政府と協力して開催されました。
 
PESは過去10年にわたり持続可能な森林経営(SFM)からの収入源を拡大するための方法として、特に資源制約が広範囲で継続的に続いている問題となっている熱帯地域で推進されてきました。最近始まった炭素隔離、生物多様性の保全、流域保護及び土壌保全のようなサービスに対する国家、地域あるいは国際的な市場により、PESが生み出す収入源が木材伐採のような昔から行われている森林活動から生み出される収入源を補ったり、時には後者を超えることができるという希望がもたらされています。ところがそういった市場のほとんどが規模が小さく分断されているため、より多くの熱帯地域の国民が自国の森林から得られる多くの利益を分かち合えるように市場の範囲を拡大することが切実に求められています。
 
ITTOは過去10年にわたり、国際熱帯木材協定 2006に記されている森林サービスの役割をもとに、持続可能な森林経営を推進するとともに機能的な市場を形成するために行われてきた多くのフィールドレベルでのプロジェクトを通して、SFMを推進し強化するための手段としてPESを提唱してきました。熱帯林における森林破壊・森林劣化の減少及び環境サービスの強化(REDDES)に関するテーマ別プログラムにおいては2008年以来熱帯地域の20カ国のプロジェクトを支援してきました。
 
フォーラムはいかの4テーマを取り上げています。
  • 持続可能な森林経営のためのPES
  • 画期的な財政メカニズムの開発
  • 地域コミュニティの利益の確保
  • 強固なガバナンス及び制度的取り決めの確立
サンホセで行われている本フォーラムの成果としては、熱帯林の持続可能な経営の重要な役割としてのPESの可能性を実現するための手順について、ITTOなどの国際機関や各国の提案を含む、フォーラムに参集した専門家からの声明を発表することが期待されています。

熱帯林からの環境サービスへの支払いに関する国際フォーラムに関する詳しい情報については下記のサイトをご覧ください。
www.fao.org/forestry/84884/en/ 

ITTO及びPESにかかわるプロジェクトに関しては下記のサイトをご覧ください。
http://www.itto.int/season_google/?cx=014662237642064703239%3Ahcqrcn06jde&ie=UTF-8&q=environmental+services&sa=SEARCH